2010年から決定的に変わったことは、
なだれ込むように中高生リスナーが押し寄せたこと。

2009年までに撒かれた、普遍的でカルトだけに留まらない名曲の数々が流行の足場を作っていき、
10代が「神!」って崇める感じの有名Pがたくさん確立していった年です。

それまでも若いリスナーは潜在的にいたのですが、
ネット上でのボカロ世論というのは旧来のネットイメージを受け継いでいたのか、
「ボカロ聴いてるのは成人のキモヲタ、10代がボカロを聴いているなんて都市伝説」
などという先入観が蔓延していました。

えっ!?信じられない!?
実は当時を裏付けるTogetterがここにあるんですよ!(ドヤ!)


ヒッキーPが聞いたリアル中高生のボカロに関する生の声

https://togetter.com/li/100044

これを初めて発表した時、ネット上の反応はこんな感じでした。

「マジで!?!?!?信じられない!!!!!」
「こんなの一部の極端な例だろ?中高生が聴いてるなんてありえない」

しかし!今読むと、これらの事象、あまりに”当たり前”のことですよね。
コアユーザーさえ(だからこそ?)、この”中高生人気”はすぐには認識しなかったのです。

そう、つまり、それまでネット上でディープにボカロを盛り上がっていたそれまでのリスナー
とは別の場所から大量に、”クラスでの話題”というコミュニケーション網を駆使した中高生という「新型ボカロ世論」がどかどかと押し寄せて、数の暴力で「ボカロファンとは俺達のことだぜ!」とイメージを刷新したのです。


それまでのシーンでは「ボカロ曲大好き!」と言う人は、自発的にボカロ曲の情報を探して見つける
コアなリスナーが多かったのに対し

この頃から、当時ミリオンヒットした曲など、”クラスの友達”と情報共有できる十数曲だけで
「ボカロ曲大好き!」と言う人が突然増えた。


という万国共通ニワカ問題は例のごとく発生しましたが、
通常のニワカ・古参問題と大きく異なるのは、
この時期以前には「今言われるようなライトなボカロファン」がほぼ存在していなかったことです。

今でこそ掴みづらいですが、2009年にミリオンヒットする普遍的楽曲が多く出てくるまでは、
ミリオンヒット曲はみくみくにしてあげる、メルトの2曲しかなく
3番目の曲以降は6桁再生前半で拮抗しているという感じであったので、
2曲しか知らない人は、「初音ミク?うん知ってるよ!」とは言っても、
自ら「ボカロ曲大好きなんだよね!」なんて言うことはなかったからです。
それが、ミリオン曲が適度に増えていき、「少し知ってる程度だけど『ボカロ曲が好き』と名乗れる」、
ライトなファン観」がここら辺の時期で初めて確立しました。


しかし、この”中高生トレンドリスナー”は”ネット上のコアなリスナー”と交わる機会も少なかった上に
中高生トレンドリスナーの方が旧来のコアリスナーの個体数を圧倒的に凌いでいたので、
マイナー〜中堅ボカロPが侘しい気持ちになったくらい
思ったほどの衝突は起きていませんでした。





この年に「全曲チェックする」という聴き専の方が絶滅したはずですが、
(た)さん、コバチカさん、など、「ほぼ全曲チェックする方」の文脈は細く受け継がれていきました。 

また、「聴き専ラジオ」の放送が開始したのもこの年です。
バーサクさん、NezMozzさんはじめ、多くのコアで饒舌でアダルティな落ち着きを持った方々が
流行を踏まえつつ独自の文脈を作っていきました。
”中高生的流行感”が支配していく中で、旧来メインで在った”ボカロ廃”層は、
水面下のような存在へ移行していきました。

悔しい!



 さらに、「ボカロだから」とボカロに関わる人がボカロの話題全てに熱中するわけではない、
というニュアンスが表面化し始めた頃でもだったと思います。

黎明期はボカロという種から枝が一つ一つ伸びていく様子が
ボカロファンによって全て温かく観察されていましたが、
やがてボカロという話題が成長し多方面に枝葉を伸ばしていき
個人が全てを詳細に観測するのが困難になっていきました。

例えば僕は、どういったボカロ曲が投稿されるかには引き続き大きな興味がありましたが、
新しいボカロのキャラクターやバージョンのソフトが増えることには
(特に歌手音ピコくらいから)あんまり興味がなくなりました。

また、少し後の話になりますが、
2011年10月にはV3発売を記念して53時間の長時間ニコ生が放送されましたが
ボカロのSNS上での盛り上がりがイマイチ欠けるなど、 
この時期には「ボカロだから全てに対して無条件にヒャッハー!!!」の酔狂時代は終焉したことを
明確に感じました。



その中でも、ヒットするかどうかに関わらず
「最近このボカロPが熱い!」の話題は月スパンで盛り上がっていました。

2010年回顧録
(パッと思いついたやつ何個か) 

どうでもいいや / おいちゃんP
タイトさと日常あるあるネタが対照的に同居してて、
今みてもエンターテイメント性が高いです。傑作!

大怪獣ニッポンゼンメツ計画 / 円盤P
90年代のテレビの深夜番組のようなサブカル感。
独特の雰囲気で心に刻まれるよう。傑作!

アメバコ展開図 / ドンガリンゴP
日常から浸蝕する哲学的なSFのような世界観と、
骨格が堅く、ギターが控えめで、含蓄があり、且つストレンジなバンドサウンド。傑作!

ぐるぐる / ポッジーニ
どこからの発想でこのキャラ「初音ミルク」「鏡音ビン」が生まれたのか・・・。
シュールで味わいが深いです。傑作!

アヒルロマン / デン
”例のあの人”。
ズレているようでビンビン感じるハンドメイドなアレンジ。傑作!





やっぱり長くなるよね!
次から巻いて巻いていきたいですね!