心にぶっ刺さったアルバムを聴くと、
その興奮のままgoogleで検索して他の人のレビューを探してしまうんだけど、
こんなにも感銘を受けたアルバムの感想を誰も書いてなかったので書きたいと思った。


AWAKE IN A REVISITED WORLD

80年代後半から90年代前半、
アンダーグラウンドで一部からカリスマ的な熱狂を受けていたASYLUMの24年ぶりの新作。

自分がASYLUMを知ったのは10年前、ヴィジュアル系のルーツを調べるため
X/LUNA SEA以前に同様の美学を持っていたバンドをひたすら調べていた時、
カリガリを経由して初期FOOL'S MATE編集長が担っていた偏執狂バンドYBO2とトランスレコードを知り、
そこから名前を聞き、YouTubeで動画を探し、衝撃を受けた所から始まるのだけど、

まず最初に耳を引いたのがボーカルのガゼルのスーパーヴォーカリスト力。
聴き手の胸倉をつかんでくるような絶唱と、併せて耽美の原点ととれるカッコいい歌唱。
そして気味の悪いコード進行で殴りつけてくるようなプログレッシブでハードコアパンクな世界・・・。
同じ時代にカッコいいバンドは沢山あれど、
ボーカルのカリスマ性をこの練り上げられた音楽性に乗せて、
化学反応を起こしているのに徹底的にアンダーグラウンドであり続けているのが凄い。

そのASYLUMの24年ぶりの新作!!!
でも正直、バンドにブランクが空くほど、本人も老い、時代も聴く人の感覚も変わり、
当時は斬新だと思われていたことが当たり前の手法になり、
しかしその変化をバンド側がいまいち掴んでなかったりして、
バンドの再結成した後の新作を聴くと素直に楽しめないことが多いというのが経験則としてあったので、
ASYLUMの新譜も聴かずに居る方がいいのでは、と最初は思っていた。

たいへん大きな間違いだった!!!

ふと聴いてみたAmazonの試聴でそれに気付き、
急遽FOOL'S MATEのニコニコチャンネルに有料登録しASYLUMのニコ生を拝見し、
そこで行われていたスタジオライブに絶句。
慌てて10/28の新代田ワンマンライブのチケットを取り会場でCDを購入。
まずライブが映像を上回る迫力で圧倒されたけどそれはまた別の話として、


何なんだよこのアルバムは・・・!
ロックという分類をするであれば迷うことなく真ん中のロックではあって、
プログレと称する人がいればそれも抵抗無くそうですねと言えるのだけれど、
そうであること以外の判断を奪われるようなアルバムだ・・・。

「普通じゃない、繊細に練られた細部が寄り集まり、それらが骨格にくっつき、割り切れない魅力を生んでる」
と言えばいいのか、そういった正統派的なのに複雑混沌と進んでいくアルバムの雰囲気が
やがてガゼルの胸倉をつかむような歌唱とともに大きな感情を連れてくるのが本当に凄い。
この感じどこかでデジャヴがあると思ったんだけど、
(本当に誤解を恐れずに言えば)DIR EN GREYの「UROBOROS」だ。
音楽性が似てるんじゃなくて、アルバムのアティテュードが非常に似ていると思う。
形容しづらいしできないのだけれど、
その形容できないニュアンスを形にしようという意思が明確に存在している。

明らかにASYLUMのオリジナリティは揺らいでなく、味が削られることなく、むしろ研ぎ澄まされていて
しかも解散前の活動から違和感の無い形で、
かつ完全に過去のどれとも違う内容でアルバムが完成している。
それが24年ぶりの新作という形で、年齢を重ねた現在に放っているのが本当に本当に凄い。
ASYLUMが休止中もずっと現役で、新しい形についてずっと考え続けてきたことが窺える。

ASYLUMの新作。おすすめです!!!