私が幼稚園・小学・中学の時に聴いていた音楽は本当に何の変哲もなく、
純粋にB'zを聴き「ウオオなんだこれカッコよすぎるーーー!!?」と興奮し
ミスチルを聴き「このメロディはどうやったら思いつくんだ!!!」とサビだけ聴くため巻き戻しを繰り返し
バンプを聴き「今何て歌ったんだ!?」とエアプレイ解禁された新曲のフレーズを
いち早く録音してテープが伸びるまでカセットをリピートしていました。

そんな何も捻くれてなかった幼児期〜中学期から、価値観の変容を経て、
時代に拘らず多時代の音楽を自由に行き来するようになる18歳頃までの間は、
こんな私でも、
「何の疑いも持つ事もなく、足を止めて一考することもなく、
 純粋に単純に今のロックへときめいていた時代」 でした。

その入口から出口までをまとめるエントリその4。


第4弾、熱中時代。2002〜2005年
ここが思春期のピークポイントです。

まさに思春期の自我の芽生えと葛藤の様子です。 
 
 
  
1 cali≠gari 「マグロ」 (2002年)


第7実験室

ある日Yahooのシングル注目ランキングのような所に

カリガリの「第7実験室 予告版〜マグロ〜」が載っていて、
「タ、タイトルが変すぎる!!なんだこれ!!?」
という理由で彼らの旧ホームページにアクセスしたのが過ちでした

昔のブラクラ系サイトのような雰囲気のデザインで、
ブルーバックでレーベル名「提供:密室ノイローゼ」と表示されたと思ったら
背景灰色の不気味なメニュー画面が現れ、
アルバム名には「第○実験室」、先行シングルに「第○実験室予告版」と冠され、
曲の内容を想像したくなるような変なタイトルばかりつけられ、 
CDのトラック内のあちこちには「ドラマ」「コマーシャル」「入口」「出口」等が入れられ、
ジャケットについては、実験室ごとにある1つのオブジェクト(第3→傘、第4→拡声器 など)を
白背景に映し出したものがジャケットになっており、
初回版、改訂版、予告版、補足版などによって映し出す角度が変えられたりしていて、
そんな細やかで独特のデザイン設定を見て
音楽聴いてない時点で興奮で夜も眠れなくなりました。

そこからはとにかくファンサイトを巡り巡り、MIDIカバーでもなんでも
カリガリの曲の輪郭を少しでも知るべく聴き漁り、曲のレビューを読みまくり
ネット上でカリガリファンと称する色々な方にコンタクトを取りまくり
そんな中で初めて聴いたアルバムが「第7実験室」。
そして知り合った方にお願いしてダビングしてもらった
当時から入手困難の「第3実験室」「第4実験室」「第5実験室」。

それまで聴いていた歌手のアルバムが「私はこんなアーティストですよ。こうですよ。こうですよ。」
と至れり尽くせりのお客様思いのアルバムだったとすれば、
カリガリは「どうぞ勝手に読み取って下さい」とだけ言って音源をぶん投げて去っていくような、
己の想像行動を喚起させるような「つかみづらい」アルバムばかりで、
カリガリを聴いた事が「自分でその音楽の良さへ向かっていく」という探究心を持つ
きっかけになったに違いありません。



2 GOING STEADY 「童貞ソー・ヤング」 (2002年)


童貞ソー・ヤング

ラジオで流れてきたのが諸悪の根源
他に流れたあらゆる曲とは音の質感がまるで違っていた
音圧も凄かった
中学生男子に響く求心力がとても大きく、
イケてないグループの野郎どもでゴイステの音楽について盛り上がりまくっていた
今もその時に聴いた感覚を引きずっている気がする



3 syrup16g 「Reborn」 (2002年)


delayed

これもラジオで流れてきて、
シロップ16グラムだか24グラムだかもよく知らないのに、
気付けばこの曲を聴きながらいっぱい泣いていた。 
昨日〜より〜今日が〜素晴らしいだなんて〜分かってる〜そんなの〜
 当たり前のことさ〜

の所の歌詞はもう死ぬまで忘れることできなさそう。



4 PIERROT 「夕闇スーサイド」 (2003年)


薔薇色の世界/ネオグロテスク/夕闇スーサイド

それまでピエロに苦手なイメージを持っていたのが、大革命的に
覆された一曲。
妖しいけれどあからさまな暗闇ではない、まさに夕闇というバランス。
スウィングなブラスロックでありながら、サイバーな雰囲気やもあって邪悪。



5 ガガガSP 「満月の夕」 (2003年)


オラぁいちぬけた

ソウル・フラワー・ユニオンのことも震災の歌「満月の夕」も、これで初めて知る。
神戸はコザック前田さんの出身地で、間奏の地名を叫ぶパートが熱い



6 BURGER NUDS  「指輪」 (2003年)


symphony

元祖、自意識葛藤文系少年ギターロック。
今ボカロPの中にも影響受けている人いっぱいいるよね?るよね?




7 ムック 「我、在ルベキ場所」 (2003年)


是空

初めてライブハウスの門を叩いて、入口に怖いおっちゃんがいて、
ポシェットを引きちぎられ、身体のあらゆる所に傷を負って生還して
買ってきたこのCD。曲だけでも興奮蘇るものであったのだけど
PV観た時の異様なオーラは今も忘れられません



8 goatbed 「マッドメンダンス」 (2003年)


GOATBED

レトロ感のある近未来感を今の様なくっきりした音像で聴く曲。

僕にとってはCOALTAR OF THE DEEPERSと並び
2大「未来っぽいクールバンド」でした。



9 ACIDMAN 「飛光」 (2003年)


equal

青春パンク全盛期に、ひねくれた中学生みたいな者にはとても説得力あった

激情系J-オルタナティブ



10 GOING UNDER GROUND 「トワイライト」 (2003年)


ハートビート

このPVみたいな恋愛風景にめちゃくちゃ憧れていた気がする。
(未だに憧れている気がする・・・。)
胸がキュンしてPV付初回限定盤を探しに沢山のCDショップを駆け回った。
手に入らなかった。



11 BUCK-TICK 「Mona Lisa」 (2003年)


Mona Lisa OVERDRIVE

視覚的な小細工はほとんどないのに、圧倒的な妖しさがあって凄い



12 THE BACK HORN 「ジョーカー」 (2003年)


イキルサイノウ

ラジオでメンバーが終始「最高傑作です!最高傑作です!」と連呼していた

バックホーンの当時の新作「イキルサイノウ」。
この曲が流れた時に感じたことは、
今の中学生が言う所の「神曲!!!」だと思います。



13 くるり 「How To Go」 (2003年)


アンテナ

唯一無二の曲、人生の曲。




14 人格ラヂオ 「火曜日の焼却炉」 (2003年)


証拠

当時、音楽ニュースサイトもそう多くない中で辿り着いた「
VISUNAVI」というサイトで、
無数のバンド名が並ぶ中、知らないバンドの項目をどんどんクリックしていっていたのですが
そこで初めて「うおお・・・なんだこの人達!引き込まれるぞ・・・」と感嘆し、
やがて1stアルバム発売の情報を聞き、一般の流通経路では取り寄せができなかったので
初めてネット通販というものを活用したのが人格ラヂオでした。
昔の歌謡曲をならったような広がりのあるメロディが凄い




15 B-DASH 「SECTOR」 (2003年)


ビッグ ブラック ストア(連絡しろ)

架空言語×自由にクルクル変わっていく曲展開×オリエンタルなメロディ
直線的なメロコアブームの波の最中に、こんな曲をシングルで切るなんて
流石一歩も二歩も先を行ってやがる!と思っていました。
後半突然日本語が現れる所もGood!
けどポケベル合唱団ってなんだ?




16 thee michelle gun elephant 「エレクトリック・サーカス」 (2003年)


エレクトリック・サーカス

2003年は青春パンクとかメロコアとか持て囃されながら、
最後にはミッシェルが空気を全部持っていった年で、
例のMステでの「t.A.T.u事件」、そして畳み掛けるような解散発表、
そしてこの曲のリリース。

あの生放送は興奮だった・・・
今思うと「万が一タトゥーがドタキャンしたらもう1曲やって下さい」と
打ち合わせあったのかもしれないけれど、
それにしてもあの演奏後のタモリの興奮状態とか普段見れるものじゃなかった・・・



17 YOSHII LOVINSON 「TALI」 (2003年)


at the BLACK HOLE

この柔らかく、懐深く、でも音が大きいこの感じ
TAMARANAI!



18 犬神サーカス団 「最初の扉」 (2004年)


グレイテスト・ヒッツ

まるでレディコミのようなプログレだ




19 サンボマスター 「美しき人間の日々」 (2004年)


サンボマスターは君に語りかける

あまりに暑苦しくて、窒息しそうになるくらい感動した!
一人で聴いているだけでもみくちゃになった気分になれる熱い曲。



20 Plastic Tree 「メランコリック」 (2004年)


CELL.

夏の、氷の割れた時の刺激のようなテレキャスター。

リフとメロディの機械のように刻まれる新型のノスタルジックという感じ。
この哀愁は、今まで感じた哀愁とはなんだか違う!と思った。



21 ASIAN KUNG-FU GENERATION 「リライト」 (2004年)


ソルファ

ああ、僕本当に素直に好きだった・・・。





22 COALTAR OF THE DEEPERS 「dead by dawn」 (2004年)


Penguin e.p

カリガリ繋がりで知ったCOTD。

当時からシューゲイザー、デスメタル、インダストリアル等を融合したサウンドだと
アンダーグラウンドで評判になっていたけれど、
色んな要素が綺麗に重なっていて今ではスタンダードな音に聞こえるのが凄い。
まさかこの人がアニメ・同人方面に走るとは・・・。



23 レミオロメン 「3月9日」 (2004年)


ether[エーテル]

今でこそスイーツ向け卒業曲だとか言われて定着しているけれど、
発売当時は世間的にも個人的にも全然そんな雰囲気じゃありませんでした。
心の中の苦しさを、牧歌的なバラードに乗せて吐露するこんな名曲は
ムックの「9月3日の封印」かレミオロメンの「3月9日」かだ!
くらいの感じに思っていました。



24 LUNKHEAD 「白い声」 (2004年)


地図

「ロキノン系」という言葉が完全に確立した2003年後半〜2004年初頭に
その象徴というくらいの時代のタイミングで出てきたランクヘッド。
ロキノン系という概念はアジカンではなくランクによって解体されたであろうという位
「それっぽいバンド」のど真ん中を突いて来たバンドで、あまりに愚直。

これを聴いて「痒い所に手が届いた」と同時に、
ランク以後こういうバンドがいったんお腹いっぱいになって遠ざかっていった。



25 椿屋四重奏 「成れの果て」 (2004年)


深紅なる肖像

ラジオではずっと椿屋の曲はバラードしか聴いた事がなくて、
印象の薄いバンドだと思っていた所に
このCDを買った人が「まるで大正時代と現代の融合のような・・」とレビューを書いていて
ええ!?なんだそれは!?と思ってレンタルしに行った思い出。

繊細なコードの移ろいとメロディもだけど、この伸びやかな歌声が
この時期にいた沢山のロックバンドとは明らかに離れていた



26 雅-Miyavi- 「ロックの逆襲」 (2004年)


雅-miyavizm-主義

今の方がぶっ飛んでる活動を繰り広げているですが、
この時はただ純粋に「新手のグランジスターが来たー!!」って思ってました。
シンプルでかっこいい!



27 銀杏BOYZ 「援助交際」 (2005年)


DOOR

試聴しに町のCDショップへ雪道を歩いて行った。
「17歳」「犬人間」「日本発狂」そして
当時「好きなあの子もみんなセックスしてしまうんだ!」という絶望に駆られてて
そんな中で聴いた「援助交際」。
ヤバかった。このCDは買わなかった。
曲の歌詞とメロディーを頭の中で反芻しながら泣きながら家へ帰った。



28 インビシブルマンズデスベッド 「蠢動」 (2005年)


寄生虫

ネットサーフィンしていたら知らない人の購入履歴にあって見つけたインビシ
情事の刹那感を数々の歌におさめているバンドなんだけど
この人達も、欲情を本当に大切にしているからこそ
性行為と憧憬と絶望感を一緒くたにして曲にできているように感じた。
セックスは特別な行為で在りたい、と思春期の僕はずっと思っていた。
そして僕はいまだ思春期を卒業できません。



29 DIR EN GREY [CLEVER SLEAZOID」 (2005年)


THE MARROW OF A BONE

見ててディルアングレイと気付かなかったどころか
「うほっどこの国のバンドかな?ヤベーなこれ!!」と思っていました。
ディルは98年から毎年風貌が急激に変化していき、
シングル出す毎に曲ごとの独立したヴィジュアルを見せてくるのも凄かったです。
もしも視覚だけ変わっていってたら興味も湧いてなかったけれど、
音と一緒に複雑に進化していくその変遷を追っていくことにとても興奮していました。
デスボイスを使うよりも、このように胸倉を掴んでくるようなシャウトでメロディを歌う方が
迫力が伝わってきて好きです。




30 deadman 「Follow The Night Light」 (2005年)


in the direction of sunrise and night light

こんな和音の使い方して大丈夫なのか!?
という名曲を輩出してきた静かなオルタナティブロックバンドdeadmanの短い活動歴の中での晩期作。
80年代初期のUKポストパンク/ポジティブパンクのルーツを最も重要視していたバンドだと思います。
PVも、ストーリーはよく分からないけれど
当時のアンダーグラウンドV系シーンの醍醐味を凝縮したような象徴的な傑作です。



31 マキシマムザホルモン 「What's up, people?!」 (2005年)


ぶっ生き返す

これがシングルだってだけで当時の空気をぶち壊す「革命」だったけれど
暫くしてこれがデスノートの主題歌になった時は興奮のリミッターが完全に外れた!
CDでロッキンポ殺しを初めて聴いた時の、刺してくるような音圧が忘れられない



32 凛として時雨 「Sadistic Summer」 (2005年)


#4

確かカリガリ・COTD・インビシ辺りの流れから
「凛として時雨」というバンドが遂にアルバムを出す、という情報が入ってきて
ホームページに曲を聴きにいったのが知ったきっかけでした。
「またアンダーグラウンド御用達みたいな強烈なすげーバンドが出てきた!
 これは絶対売れない!!(興奮)」などと思っておりましたが
CDで聴くとただ破天荒にパワーをぶつけているのではなく
音がきめ細かく整理されていて、ポップなメロディーが映える作り込み方でした。
この後たちまち売れていきました。



33 蜉蝣 「絶望にサヨナラ」 (2005年)


愚弄色

昔の見世物小屋的なエログロナンセンスを武器に気持ち悪いロックをしていた蜉蝣が、

ガレージ要素を近づけてきた頃の一曲。
生活感が漂う電車と倉庫で撮影されているPVなのだけど、
カラコン×目力×極端な身振り
で生活感と真逆のルックスを作り上げた大祐がいるだけで
独特のクーデター感
がある・・・



34 ALI Project 「聖少女領域」 (2005年)


薔薇架刑

発売当初から濃いとかやばいとか言われていて気になっていました。

バロック音楽のパイプオルガンの旋律を
歌謡曲に無理やり押し込んだかのような凄いメロディ
が強烈で
それはヒステリックにも聞こえました。

知った当初は「アニメ関係の人?」という認識だったのですが、
実は80年代インディシーンから出てきたニューウェーブユニットだったなんて・・・!





35 ELLEGARDEN 「Red Hot」 (2005年)


RIOT ON THE GRILL

勉強の間にCD屋で現実逃避していて試聴機で聴いたエルレガーデン。
轟音を出すバンドはいっぱい居たと思うのですが
声質、メロディ、音の出し方が全部ガッチリはまって
独特の突き抜けたポップさになっていて捻くれることなく洗脳されました。
本当に、どこを切ってもキャッチー!



36 フジファブリック 「モノノケハカランダ」 (2005年)


FAB FOX

床屋で流れてたMTVで偶然目にしたフジファブリック
AIRやpillowsのようなバンドかな、などとイメージがあったんですが、
全然違いました。
「新しい時代のロックが聴きたいぜ」と思っていたのですが、
新しい時代を新しいっぽい雰囲気で感じることができた凄い曲でした。





37 YUI 「Feel My Soul」 (2005年)


FROM ME TO YOU

友達から聴かせられた。
それは偶然ではなくて〜偽りの愛なんかじゃなくて〜♪ ヨライッ オライッ ヨライッ」

関係ないけど、YUI聴いて思い出すのがアヴリルラヴィーンとNANAで、
この頃この2つの世界観を足したような演出の女性シンガーが多かった気がします。
まんまとハマっていました。伊藤由奈とかOLIVIAとか
Tommy Heavenly(Februaryの別キャラ)とかもう純粋に好きでした。
お、大塚愛も(ボソッ












ここら辺が思春期のマックスラインです。

この時期までは、聴く音楽の中心はあくまで「今のロック/ポップス」であり、
完全に素直に、一歩下がって考え込む事もなく
もう溢れんばかりの無邪気な快感で最高最高たかぶってました。


一方でこの頃にBOREDOMSあぶらだこなどの魅力も開けてきて、
また、リアルタイムのロックの情報網には載らない、過去のアーティストの参照も
この時期から積極的になって、
昔の曲を聴き、昔のシーンを調べることも多くなります。
 
この時期に気付いたのが、
「○○の新作!」とリアルタイムに知ることができるのは、
ある程度ラジオや雑誌に情報が回るアーティストだけで、
他のマイナーなアーティストは、ライブなどに行く環境がなければ
新譜が出ても後追いで知る事ばかりだという事でした。
今はネットでの宣伝手段が増えたのでそうでもありませんが。

この頃の自分だって、知れるものなら
マイナーなアーティストもっといっぱい知りたいと欲求がはちきれていたのですが
誰かが口コミしてくれる自分の知らないアーティスト=過去のアーティストばかりで、
例えば2005年時点での笹口騒音ハーモニカのような
マニアックな魅力を持つ現行のアーティストを知る手段が
ほとんどなかった
のです。
それが残念だったのですが、今ネットが普及している事で
今に至るまで知らなかった衝撃を、それを一つ知る度に味わうことができているので
嬉しい限りです。


次回がシリーズ最後です。
純粋に毎週発売される新譜のCDに一喜一憂して
あるていど広告媒体に乗った音楽の聴き方をしていたのが2007年までで
その後2008年頃からは「今の音楽」を追うよりも、
時代問わず興味持った物を好き勝手に聴き漁り始めたので
2006〜2007年までで締めるとキリが良さそうです。

つづく