ヒッキーPからの視界

音楽について、VOCALOIDについて触れていきます。 あと自分の活動について。

ヒッキーP一般流通アルバム「Eutopia」、2012年12月19日発売
※本名「大高丈宙」名義ですが、ヒッキーPに間違いありません。
全27曲/全部ボカロ曲/全部鏡音リン/全国CDショップで取り寄せ可能/Amazonでも購入可能

Eutopia / 大高丈宙

★「Eutopia」公式特設HP http://wonderground.sakura.ne.jp/_gingaweb/eutopia.html
★他アルバム http://blog.livedoor.jp/hikkie1987/archives/2178004.html

2010年から決定的に変わったことは、
なだれ込むように中高生リスナーが押し寄せたこと。

2009年までに撒かれた、普遍的でカルトだけに留まらない名曲の数々が流行の足場を作っていき、
10代が「神!」って崇める感じの有名Pがたくさん確立していった年です。

それまでも若いリスナーは潜在的にいたのですが、
ネット上でのボカロ世論というのは旧来のネットイメージを受け継いでいたのか、
「ボカロ聴いてるのは成人のキモヲタ、10代がボカロを聴いているなんて都市伝説」
などという先入観が蔓延していました。

えっ!?信じられない!?
実は当時を裏付けるTogetterがここにあるんですよ!(ドヤ!)


ヒッキーPが聞いたリアル中高生のボカロに関する生の声

https://togetter.com/li/100044

これを初めて発表した時、ネット上の反応はこんな感じでした。

「マジで!?!?!?信じられない!!!!!」
「こんなの一部の極端な例だろ?中高生が聴いてるなんてありえない」

しかし!今読むと、これらの事象、あまりに”当たり前”のことですよね。
コアユーザーさえ(だからこそ?)、この”中高生人気”はすぐには認識しなかったのです。

そう、つまり、それまでネット上でディープにボカロを盛り上がっていたそれまでのリスナー
とは別の場所から大量に、”クラスでの話題”というコミュニケーション網を駆使した中高生という「新型ボカロ世論」がどかどかと押し寄せて、数の暴力で「ボカロファンとは俺達のことだぜ!」とイメージを刷新したのです。


それまでのシーンでは「ボカロ曲大好き!」と言う人は、自発的にボカロ曲の情報を探して見つける
コアなリスナーが多かったのに対し

この頃から、当時ミリオンヒットした曲など、”クラスの友達”と情報共有できる十数曲だけで
「ボカロ曲大好き!」と言う人が突然増えた。


という万国共通ニワカ問題は例のごとく発生しましたが、
通常のニワカ・古参問題と大きく異なるのは、
この時期以前には「今言われるようなライトなボカロファン」がほぼ存在していなかったことです。

今でこそ掴みづらいですが、2009年にミリオンヒットする普遍的楽曲が多く出てくるまでは、
ミリオンヒット曲はみくみくにしてあげる、メルトの2曲しかなく
3番目の曲以降は6桁再生前半で拮抗しているという感じであったので、
2曲しか知らない人は、「初音ミク?うん知ってるよ!」とは言っても、
自ら「ボカロ曲大好きなんだよね!」なんて言うことはなかったからです。
それが、ミリオン曲が適度に増えていき、「少し知ってる程度だけど『ボカロ曲が好き』と名乗れる」、
ライトなファン観」がここら辺の時期で初めて確立しました。


しかし、この”中高生トレンドリスナー”は”ネット上のコアなリスナー”と交わる機会も少なかった上に
中高生トレンドリスナーの方が旧来のコアリスナーの個体数を圧倒的に凌いでいたので、
マイナー〜中堅ボカロPが侘しい気持ちになったくらい
思ったほどの衝突は起きていませんでした。





この年に「全曲チェックする」という聴き専の方が絶滅したはずですが、
(た)さん、コバチカさん、など、「ほぼ全曲チェックする方」の文脈は細く受け継がれていきました。 

また、「聴き専ラジオ」の放送が開始したのもこの年です。
バーサクさん、NezMozzさんはじめ、多くのコアで饒舌でアダルティな落ち着きを持った方々が
流行を踏まえつつ独自の文脈を作っていきました。
”中高生的流行感”が支配していく中で、旧来メインで在った”ボカロ廃”層は、
水面下のような存在へ移行していきました。

悔しい!



 さらに、「ボカロだから」とボカロに関わる人がボカロの話題全てに熱中するわけではない、
というニュアンスが表面化し始めた頃でもだったと思います。

黎明期はボカロという種から枝が一つ一つ伸びていく様子が
ボカロファンによって全て温かく観察されていましたが、
やがてボカロという話題が成長し多方面に枝葉を伸ばしていき
個人が全てを詳細に観測するのが困難になっていきました。

例えば僕は、どういったボカロ曲が投稿されるかには引き続き大きな興味がありましたが、
新しいボカロのキャラクターやバージョンのソフトが増えることには
(特に歌手音ピコくらいから)あんまり興味がなくなりました。

また、少し後の話になりますが、
2011年10月にはV3発売を記念して53時間の長時間ニコ生が放送されましたが
ボカロのSNS上での盛り上がりがイマイチ欠けるなど、 
この時期には「ボカロだから全てに対して無条件にヒャッハー!!!」の酔狂時代は終焉したことを
明確に感じました。



その中でも、ヒットするかどうかに関わらず
「最近このボカロPが熱い!」の話題は月スパンで盛り上がっていました。

2010年回顧録
(パッと思いついたやつ何個か) 

どうでもいいや / おいちゃんP
タイトさと日常あるあるネタが対照的に同居してて、
今みてもエンターテイメント性が高いです。傑作!

大怪獣ニッポンゼンメツ計画 / 円盤P
90年代のテレビの深夜番組のようなサブカル感。
独特の雰囲気で心に刻まれるよう。傑作!

アメバコ展開図 / ドンガリンゴP
日常から浸蝕する哲学的なSFのような世界観と、
骨格が堅く、ギターが控えめで、含蓄があり、且つストレンジなバンドサウンド。傑作!

ぐるぐる / ポッジーニ
どこからの発想でこのキャラ「初音ミルク」「鏡音ビン」が生まれたのか・・・。
シュールで味わいが深いです。傑作!

アヒルロマン / デン
”例のあの人”。
ズレているようでビンビン感じるハンドメイドなアレンジ。傑作!





やっぱり長くなるよね!
次から巻いて巻いていきたいですね! 

2007年、乱暴な言い方をすれば「キャラクター性を持ったニコ動のオモチャ」として
ボーカロイドの音楽が聴かれうる音楽シーンが誕生しました。
初期のことを掘り下げればキリがありません。
が、最初の2年間は激動かつ濃密なシーンの流れが存在し、
この2年間でボカロシーンという未開拓の畑は急速に、豊かに耕されていきました。

ここからの記事では、最も語られがちな黎明期を一旦スキップして、
2009年後半からの自分のボカロ観測を書きたいです。



2007年にシンプルな名曲・普遍的な名曲が多数生まれたことを始点とし、
2008年に入るとそれぞれの製作者の矜持により様々な方向性でボカロの楽曲が作られることが提示され、
2009年にはそこから地続きの発展で、創作的野心の発信の場としてのボカロシーンが進化していきました。

特に2009年下半期は、ボカロシーンがアカデミックに聴かれうる”コアな音楽”の追求と、
10代のマジョリティに力を持ちうる”10代的な最先端の音楽”の開拓が、同時並行的にされた時代でした。



”10代的な最先端の音楽”とはJust Be Friends、裏表ラバーズ、1925など今も馴染み深い楽曲の数々。
それに対してコアな音楽に対して単発的ではなく積極的に盛り上がる流れは、
この時期までの特有の雰囲気だったと思います。以下あくまで一部例

Drain / Treow(逆衝動P)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8132511

三角を床に描き 四角を付け足して / 音楽性の違いにより解散しました。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8112197

A Song For Your Melodion / whoo
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8586222

The Ghost of Romantic Tranceiver / kiichi(なんとかP)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7215797

Fight For Free / 泡沫P
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7232278

少女、鬱に現る / あぼんギャルP
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8264655

Persona Alice / ハチ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7223030

独言哲学 / 盛るP
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7875350


この流れは細く残り続けはしますが、この後に来る巨大な商業化に押し流されていきます。



さて、2009年末に起こったいくつかの変化は、
前述の”巨大な商業化”に直接関わるわけではないですが、第一段階として
以下の3つがそれまでのボカロシーンを大きく変えていきます。

〆遒蠎蠅亮舁SNSが「にゃっぽん」からTwitterへ
にゃっぽんとは何か!
ボカロP・絵師・動画師などの作り手とコアなボカロリスナー(当時は聴き専という呼称)が、
一同に会するmixiのようなSNS、と言えると思います。
ここで製作者・リスナーが日記を書くことを介してボカロ曲を話題にし合ったり、コラボを持ちかけたり、
2chのボカロスレと並び、話題の渦を起こす役割を果たしていました。

「にゃっぽんであるが故の利点」 
・それぞれの人のページから過去の日記を漁るという形で、情報やデータを遡って採集・整理しやすかった
・話題の渦の発生が作り手主体だった
・多数決ではない評価軸を確立できた

TwitterだとTLが流れていくんです!!!他人の過去の発言を探すことには向いていないSNSなので、
「今・現在まさにという盛り上がり」しか観測できず、シーンの文脈がつかみづらい。

また、2009年は特に、「こういった音楽が伸び、こういった音楽は伸びない」といったシーンの偏重が薄く、
それぞれの音楽を作る人 が過ごしやすいバランス感覚のようなものがシーン内にあった。
このジェンガのようなバランスを制御していたのがにゃっぽんであったように感じます。
それは、多数決では決して為し得ないバランスだったと思います。
対してTwitterは多数決の動きを見るのに特化したSNSで、対照的です。


▲縫各阿離螢縫紂璽▲襦将棋盤出現
2009年10月にニコ動がリニューアルして、「VOCALOIDカテゴリ」が爆誕します。
それは喜ばしいことだったのですが、「東方・アイマス・ボカロ」が一絡げに同じ大カテゴリとして括られ、
更にはランキングページを開いた一発目にこのような碁盤の目が表示されるようになります。
615104 その後の改変に比べれば、これ自体は決定的なものではないのですが、「限られた上位作品に注目を絞る」傾向が顕れ始めた変化でした。








アイドル的な歌い手の出現
2009年下半期は「歌ってみたが衰退した?」などと「歌い手衰退論」がありました(どこも同じですね・・・)
黎明期の歌い手が軒並み勢いを落としていたことがあったようですが、
その裏ではニコ生などでのコミュニティ拡大を進め、潜在的に発展を狙っていた新世代勢がいました。
 後の√5勢を中心とする、今の「歌ってみた文化」を直接的に形成したアイドル的人気を持つ歌い手層です。
ここら辺が2010年に入って一気にドカドカと顕在化していき、
「歌い手が歌って原曲のボカロ曲(大抵は元々が有名曲)が更に伸びる」という現象が生まれていきます。 


さて、ここら辺で愛想を尽かすボカロリスナー(聴き専)も多かったのではないでしょうか!?


あらら、こんなに長くなった・・・黎明期でなくても、8年9年を振り返るのはとても難しい作業だ・・・(時間を下さい!!という言い訳)



ヒッキーP、ボカロの新曲を上げました。
実は、ずっとこのブログ上では口を閉ざしていましたが、
今日からニコニコ超会議および超ボーマスが始まります。
ああ、そして僕は2日目、29日に参加します。

う33 捻れたアヒル
い31 ミサンスロピィ

の2箇所でうろうろしながら僕のCDを置きお待ちしております。

たくさん色々出します。



まず、捻れたアヒルが復活し、「アヒル百鬼夜行」なる新譜が発売されます。
上記の新曲はその収録曲です。 
今回は1曲につき1匹の妖怪をテーマにした曲にするという制限の下
9曲の名曲が収録されるに至りました。
ぜひ聴く方は妖怪事典を片手に調べながら聴いてみましょう。

mojiire-10-3








 V.A.「アヒル百鬼夜行」

1  @末not寂 / kous         妖怪:天邪鬼
2  軽×ンザイ / カオスP        妖怪:高女
3 ひとりぼっちで迷子で夜 / ひつじP   妖怪:ぬっぺふほふ
4 変身 / アンテナP          妖怪:しょうけら
5 ワールドイズマイン / スP       妖怪:ぬらりひょん
6 おまえなんて / ヒッキーP       妖怪:白児
7 いらない / 鼎沙耶          妖怪:濡女
8 レイ / はるひP           妖怪:狐火
9 鎌鼬 / アヒル軍曹P        妖怪:鎌鼬


アルバムとしての流れやまとまりがとてもある一枚になっていて、前回「大人しかったかな・・・」と感じた方でも
「おっ、今回はテンションが高いな!?」と感じられる熱さも兼ね備えていると思います。
注意が、スPの「ワールドイズマイン」は過去曲のリメイクではなく、
完全なる新曲だということです。僕は今回のワールドイズマインの方が好きです。
スPといえば、併せてスPの新作も頒布されます。
ニコ動に上がった最新作の「Scatter」はスPの歴代の曲の中でも最もキャッチーでポップな曲だと思っています。




ところで上京して2年、やっと東京都民らしく
「歌詞カードを業者に頼んで作ってもらう」を遂に実現しました。
よって今回の超ボーマスの出品物は
いつもよりパッケージとして整っているように見えるのですが、それは錯覚ではありません!
いつもが雑すぎる
とても手に取りやすいと思います。是非ご鑑賞だけでも下さい。



ジャケット 








ヒッキーP 新譜 instrumental concept album 「人間風情」 

1 人間風情 第一景
2 人間風情 第二景
3 人間風情 第三景
4 人間風情 第四景
5 人間風情 第五景
6 人間風情 第六景
7 Misanthropy

1曲目と5曲目には鏡音リン、
そして1曲目にはハイライト部分にbroilerさんの「がんばらなくちゃがんばらなくちゃ」をサンプリングしています。
2016年の上京から最近までに僕が心象風景的に作りためたインストの曲を再構築し、1枚にしました。
とても緊張感のある音になっていると思います。

《クロスフェードデモ》
 




EPジャケット 









処女A 「ガッデムEP」

1 Meeting Dm
2 ガッデム
3 中二病 from 2017
4 動かぬ背
5 日払いの墓

これはバンドの音源です。僕が歌っています。
ボカロ曲と対照的にドロドロしています。
でも実は一部鏡音リンも使っているので探してみて下さい。 

 





ジャケット01 








ヒッキーP 「君を見た光EP」

旧譜もわずかに再生産しました。


1 無為
2 君を見た光
3 母と排泄物と金子みすゞ
4 ガラス越しの偉い人たち
5 高見のクズ
6 bokuwaiikedosa

歌詞カードのデザインが結構気に入っています。
詞・曲の内容は全曲バラバラです。それぞれの世界が独立して在りそこが面白いとも思うのですが
不思議と全体を通してポップスっぽい雰囲気があります。



他、

「明るい生き方教科書」
「Eutopia」

も数枚持っていく予定でございます。
思い出して下さった時にでも、チェックしてみて下さい。 



とにかく
いま極限の眠さで何の冗談も出てこないので、
告知記事を書いておひらきとします。 


 

タイムマシン / 鏡音リン
投稿者: ましゅー さん



この方がどんな方なのか、今までどんな活動をされてきたのかも全く分かりません。
でも、 この曲を聴いて胸の一番奥がワクワクするような、
懐かしい高揚感を覚えて共有したくなって挙げてみました。
ボカロは7年くらい聴いてない、といった人がもし居たら興味本位で聴いてみてほしいです。

一昨年と去年の邦楽ロックと呼ばれるシーンは、
今までそうは呼ばれなかった音楽に、邦楽ロックというラベルを貼って売り出す
「ラベルの貼り替え」の年でした。 

 どういう意味かというと (つづく)

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